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「はじめてのかみさま」 はじめて神に出会ったのは、小学生の頃だと思う。秘密基地を作りに友達と山に入った。人が踏み入れない木々が生い茂った場所を探検し、自分たちだけの居心地のよい空間を見付ける。段ボールやシートで雨よけを作り、捨て置かれた粗大ゴミを拾って家具を作り、漫画やおもちゃを持ち込んだ。基地の周りに落とし穴を掘り、ひもを張り巡らせ罠をしかけた。それらしい空間が出来上がったが、一つだけ問題があった。一本の小さな木が基地の中に生えいる。とても邪魔なのだ。そこで、ノコギリで切ろうと相談になった。大地に根を下ろした生きた木は頑丈だ。色んな組織が身体を守っている。そう簡単に刃が進まなかった。それでも皆で交代しながら切り進めるうちに、なんとかゴールに達した。細っこい若木は、根元近くで見事に折れた。皆が喜んだ瞬間、いきなり突風が吹き荒れた。がさがさと木々が荒れ揺らぎ、山全体がぐおおおぉぉと巨大な唸り声をあげている。まるで大きな怪物に飲み込まれるような恐怖を僕たちは感じた。背筋が凍る。何かとてつもなく悪い事をしてしまったのだ。山を怒らせてしまったのだ。僕たちは山の怒りを鎮めるために、なんとか切ってしまった木を元に戻そうとした。もう元には戻らない。悲しい後悔が襲って来た。僕たちは切られた若木に向かって拝むように謝り始めた。すみません、すみませんでした!すると、ふっと風が止み、山の唸り声が静まった。小鳥のさえずりが聞こえ、木漏れ日が差し込んだ。辺り一面、穏やかな空気になった。それ以来、僕たちは秘密基地にいくと、誰からともなく、その木に挨拶をするようになり、お供え物をするようになり、周りを綺麗に保つように心掛けた。僕たちは神と共に時を過ごした。 |
「あすのかみさま」 神は、傍若無人でよいのだ。こちらの期待にいつも応えてくれるようなものは神にはなれないのだ。ある時は、災いをもたらし、ある時は、福をもたらす。人はそういった存在を神と見立てた。自分を遥かに超えた存在。神が何を考えているかなど知りようもない。神の領域に踏み込むはいざ知らず、飼いならしてしまうなど考えようもなかった。ところが近頃は、なんでもかんでもコントロールしたくなると見た。そういう所に、もう神は生まれない。 この続きは本誌(FUDGE6月号)で.....
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